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第19回International Congress of Parkinson’s Disease and Movement disorders

 第19回International Congress of Parkinson’s Disease and Movement disordersがサンディエゴにて開催され、当教室からは3人が参加しました。サンディエゴはアメリカ西海岸のカルフォルニア州の南に位置する都市で動物園、水族館、空母ミッドウエイ博物館などがあり、観光地としても魅力的な所でした。学会は6月14日-18日の5日間行なわれ、主に学会の午前中はPlenary sectionとして多くの神経変性疾患の診断、治療、進行中の治験の結果、最新の研究などの講演が行なわれました。印象に残ったPlenary sectionは、世界的に高名なドクターにおける神経変性疾患の患者の診察の実演があり、疾患へのアプローチの仕方が今後の診察に役立つと思われました。私は多系統萎縮症と尿酸の関連性についてのポスター発表を行ないました。尿酸と神経変性疾患に関する発表が多くあり、いろんな意見の交換ができたと思います。今回、学会では良い刺激をたくさん受けました。今後の診療や研究に多いに役立てたいと思います。

(文責:深江治郎)

第18回Movement Disorder Society (MDS)

 第18回Movement Disorder Society (MDS)国際会議に参加しました。北欧ストックホルムは白夜に近く、私がストックホルムについたときは既に午後10時半を回っていましたが、驚くことに周囲はまだ明るさが残っており、ホテルについた12時ころにはようやく暗くなりましたが、午前1時を過ぎると徐々に明るくなります。
海外の学会では国内では経験できないことをたくさん得られます。国内学会では、その内容はよく理解できるのですが、我々はお互いを知りすぎて、その研究者の背景まで考えてその発表をみてしまいます。海外ではその様なバイアス(先入観)がなく、偉い人も若い人も同じ土俵で議論できます。ここは知らない強さで、ガンガン質問攻めをすると実は高名な先生だったということを後で知って、びっくりするのですが、この様な風景は珍しいものでありません。この先入観なし、上下関係なしの議論こそ海外でのみ経験が可能です。だから、積極的に海外に出ることを勧めます。さらに海外では国によってその背景が全く異なることも知ることができます。どちらかといえば日本と欧州は似ていますが、日本は若い研究者の横の移動が少ないようです。
私はこの教室のモットーとして日本のどこに行っても恥ずかしくない、臨床力のある神経内科医を育てるという点を特に重視します。それには日常の診療が基本になります。そこにおけるクエスチョンがモチベーションになり臨床研究につながることが理想です。クリニカルクエスチョンの答えを見出には、どのような研究デザインが必要かを考えるプロセスが一番重要ですが、そのヒントは国際学会に多く見出せます。また当教室で解決できない場合に留学をしたり、共同研究の形をとるようにしたりしたいと思っております。個人のパワーが教室のパワーにつながる「全員野球」を実践します。
話がそれましたが、MDSの国際会議では毎年必ず、前年度の治療研究進歩が報告されますが、日本からのエビデンス発信が少ないことが気にかかります。日本のMDSJは会員数も多く、レベルも高いのに、なぜか国際的な場で力を発揮できない体質や、アピール不足があるような気がします。期待されたワールドカップのザックジャパンのように、越えられそうでできない壁があるのでしょうか?またYoung investigator awardの受賞に誰か日本人が立たないかということをここに来るたび思います。受賞者の発表内容は決してレベルの高いものではありませんでした。実は2006年京都で行われたMDS国際コングレスで当教室の今村明子先生が受賞しているのです。アピール力を高めて、数年以内に福岡大学から2人目が出ることを期待します。最後にストックホルムは思ったより暑く、ビールがおいしく、ミートボールがお勧めです。

(文責:坪井義夫)